トイレに行く前はお腹が張っており、とっさに今まで入ったことのないトイレへと入りました。そこには個室が2つしかありませんでしたが、狭いトイレであったので特におかしいとも思いませんでした。ちょうど私が入ったときには1つの個室が使用中であり他に人がいなかったので、私は開いているほうに入りました。
個室に入り用を足してふと横を見たところ、そこに音姫(*1)がありました。その時点ではまだ女性用のトイレに入ってしまったことには気がついていませんでした。最近は男性用のトイレにも音姫があり、そこがとても進んだトイレであるのだと関心していました。
しかし目の前をよく見ると男性用トイレの個室ではあまり見かけないような汚物入れが置いてありました。また、個室の外に人がいて何かをしていた気配がありました。この瞬間女性用のトイレに入ってしまったのだと勘付いたのです。
最高に困りました。隣の個室にはまだ人がいて、さらに個室の外にいる人の気配は消えませんでした。個室から出ると私が女性用トイレに入ってしまったところを見られてしまいます。
最初はその個室に居残り、そのトイレから人がいなくなったところで外に出ようと思いました。しかし私がそこに居残れば本当にトイレを必要としている人に迷惑をかけてしまいます。また長いこと個室に入っていたことをもし知られてしまった場合、私は不審な人として見られて厄介なことになってしまうかもしれません。
私は意を決して個室を出ました。個室を出たところ化粧直しをしていた女の人が2人いました。やはり女性用トイレに入ってしまっていたのです。私はその人の後ろを駆けるように通り過ぎてそこから脱出しました。
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そこにいた女の人はどう思ったことでしょうか。一瞬驚いたようなそぶりをしたかもしれませんでしたが、そちらを見ていたわけではなかったのでよくわかりません。いずれにせよ、今こうして生活ができていることをとても幸せに思います。冬山で吹雪の一日をやり過ごしたときと同じぐらいの安堵感があります。
今考えてみたところ、女性用トイレの個室に居残らずに外に出ようと判断したことは賢明な選択であったと思います。もしその後トイレ居残ることにして個室から出るタイミングをうまくつかめずにいて、個室の前に人が並ぶほど混雑した場合、私はさらに出るに出られない状況になったことでしょう。もしそのような事態に陥ってしまっていたらどうしただろうかと考えると今でも恐ろくなります。
今後は切羽詰った状況であっても必ず注意をするように心がけるようにします。
以上のことを徹底し、再発防止をします。
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(*1) 「音姫」: トイレ用擬音装置の商品名。排泄するときに生じる音を隠すための音を出す機器のこと。
参照

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